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樫村愛

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地下大学東京─秋葉原で起きたこと

6月8日の白昼、秋葉原中央通りの路上ではいったい何が起きたのか?
120秒の間に、残酷な形で交錯したものは何だったのか?

青森に生まれ、各地の派遣「飯場」を転々とした末に、静岡からあの街に現れたKは、
ちょうど40年前に4人を射殺し、遂に刑死したNを呼び戻した。
彼の『無知の涙』が読まれているという。

「あの場所」は、なぜ2キロ西にある水道橋・トヨタ東京本社ではなかったのか?
あるいは3キロ南の丸の内・三菱村でも、5キロ西の新宿・東京都庁でもなかったのか?

大阪では、野宿する人たちや日雇い労働者への不当な逮捕が相次ぐ中、
釜が崎で警察との小競り合いが続いている。
90年前、富山の港町・魚津で女たちが生きるために米倉庫を襲ったのは暑い7月である。その闘いは「米騒動」と呼ばれた。

そして命を落とした人たちの一人、東京芸術大学の女子学生は、3月に行われた
ネグリ招聘(未遂)イベントを知っていただろう。

──あの場所にやって来たKと、そこで殺された人々に
集中したあらゆる動線と、そこから伸びていくものについて
徹底討論したい。
(さらに…)