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パリは燃えているか?

──パリ大学占拠レポート
4月20日(月)19時より
素人の乱12号店北中ホール
資料代500円+できたら投げ銭

土屋和之(パリ第4大学大学院生、スカイプ中継参加)
岡山 茂(早稲田大学教員)
白石嘉治(上智大学非常勤講師)
谷口清彦(パリ第4大学大学院生) 
コーディネート:井形和正(一橋大学大学院生)


フランスでは現在、68年五月革命より長いと言われる、大学関係者によるストライキとデモが行われています。

これはサルコジ政権の経済政策や教育「改革」に反発する動きで、多くの大学では教職員を中心として無期限ストライキが続いています。軌を一にして8つの労組が呼びかけたゼネストはフランス全土に広がり、500万人が参加したと伝えられます。また全国195か所で集会とデモが行なわれ、250万人の労働者・市民が参加したと報じられています。高等教育部門について、サルコジは「全国大学評議会(Conseil national des universites)」が現在持っている権限を大幅に縮小しようとする「改革」を打ち出しました。高等教育の自由と研究の自立の原則は教員・研究者に特別な地位を保証をしているわけですが、この「全国大学評議会」は、教員・研究員の採用と昇進について意見を述べる専門ごとに分かれた全国レベルの評議会です。その地位や権限を縮小して各大学の学長に人事の決定権を与えようとする画策に対して、大学教員や研究者が叛旗を翻しているという現状です。

また、このストライキは、非常勤講師の首切りに対して常勤の教員が支援したとも聞いています。これは東大、京大、琉球大など日本の大学での状況と酷似しています。このように伝聞調にならざるを得ないのは、日本ではこの問題がほとんど報じられていないことにも因ります。日本に伝わってくる情報は余りに少なく、私たちは「蚊帳の外」に置かれた状態です。このようなフランスでの状況について、フランスからはパリ在住の土屋和之さん、日本からは『現代思想』4月号でストライキについて書かれた白石嘉治さんと谷口清彦さん、および岡山茂さん(アレゼール日本事務局長)を招いて、スカイプによる実況中継で語っていただきます。フランスの状況は対岸の火事ではありません。

多数の方々のご参加をお待ちしています。

参考:
http://daigakuseishiwomaku.blogspot.com/ (大学生詩を撒く)
http://www.emancipating-education-for-all.org/ (Emancipating Education For All)
http://www.edu-factory.org/edu15/ (EduFactory)
http://www.vagueeuropeenne.fr/ (Vague européenne – Louvain2009)
http://www.sauvonslarecherche.fr/ (Sauvons la recherche)


【フランスのゼネラル・ストライキ▶2か月続く大学スト】

▼「仏全土で約200のデモ行進、数十万人が参加 独でもデモ」
「パリ=野見山祐史】フランスで29日、国鉄や学校などに勤務する労働者が雇用維持や賃金上昇を求めて大規模なストライキを決行した。昨秋の景気悪化後では初めての業種を横断したストとなった。ドイツでも鉄道や航空会社がストを実施。雇用悪化が急速に進む欧州経済の厳しさと家計の不安心理を浮き彫りにした。仏では主な8労組が抗議行動を呼びかけ、一部鉄道などは28日夜からストに入った。29日は地下鉄やバスが運行本数を大幅に削減。国鉄の運休は6割に達した。空港、郵便局などの公的機関の労働者だけでなく、銀行、自動車など民間部門でも労組加入者などがストに加わった。交通機関への影響は30日まで続く見通し。パリやマルセイユなど仏全土で約200のデモ行進が実施された。労組はこうした抗議行動に数十万人が参加したとしている。」(2009年1月30日 日経新聞)

■「イル・コモンズの蓋」小田マサノリ(中央大学講師)のサイトより

ストにしろデモにしろ、にっぽんのマス・メディアの報道の仕方をみてると、
国の政治に対して市民が反対や抗議の声をあげることに対する
ネガティヴ・キャンペーンなのだろうか?と思ってしまうことがある。
しかも、

「いや、まさか、そんな大げさな、それは考えすぎだよ」

という具合に、決してそのことに気づかせない非常に洗練された思想統制が
すみずみまでゆきとどいているような気がして仕方がない。そう云うと今度は、

「そんなこと、今にはじまったことではないよ」

とシニカルな意見を述べる人がいる。そういう意見を聞くたびに思うのは、ならば
なおのこと、まるでそれを今日、生まれてはじめて知った子どものように考えたり、
書いたりし続けようということだ。

いっぺんでいいから、こういうデモやストに参加してみたい。
いっぺんでいいから、いや、なんべんでも、
政権をたおして「これが本当の民主主義だ」と口に出してそう云ってみたい。         

▼La greve generale du 29 janvier 2009
http://www.29janvier2009.fr/

いま、こうしているあいだにも、デモはどんどん大きくなっている。

▼「サルコジ辞めろ」と気勢=デモ参加者100万人に‐仏
「不況にあえぐフランスで決行された29日のゼネストで、パリのバスチーユ広場からの街頭デモに加わった労働者ら多数が同日夕、終着点のオペラ座前で公務員削減策などに反対する集会を開き、「サルコジ(大統領)辞めろ」と気勢を上げた。仏労働総同盟(CGT)のチボー書記長によると、デモ参加者は全土で100万人に達した。パリの税務署員ジャンピエールさん(40)は「カネがないと言って人減らしをしながら、銀行救済に巨費を投じるのはおかしい」と批判。市の女性公務員マイケさん(60)は「学校で児童の心のケアを担当していた職員らまで減らされている」と危機感を募らせた。」
(時事通信社 2009年1月30日)

▼「フランスのデモ拡大、参加者250万人に」
「フランスで29日朝に始まった主要8労組による全国規模の時限ストは同日午後、パリやマルセイユなど全国の主要都市でデモ行進が行われ、最大労組「フランス労働総同盟」の発表で計250万人が参加した。警察発表は100万人。官公労の組合員に加え、金融など民間企業の労働者も「雇用の安定」を求めて多数参加し、デモは2007年5月のサルコジ政権発足以来、最大規模となった。悪化するフランスの雇用情勢の深刻さが浮き彫りになった形だ。パリ市内では、100人規模の参加者が警官隊と衝突し、1人が負傷、13人が逮捕された。(2009年1月30日 読売新聞)

数十万→100万→250万という増え方もすごいが、そもそもの数がすごい。
数字にはよくだまされるので、ゼロをならべて書くと、2,500,000人である。
さらに、ひらがなで書くと、にひゃくごじゅうまんにんの市民のストとデモである。
これでもまだ、「市民生活への影響」とかいうのだろうか。

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